港区立高輪いきいきプラザ

2025.09.26

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視覚障害と交通事故

日本では40歳以上の20人に1人、70歳以上では9人に1人が緑内障を有していると言われています。しかし、緑内障は視力が良好であることから自覚症状に乏しく、緑内障が進行していることに気づかずに運転を続けている可能性がある、と指摘するのは順天堂大学医学部衛生学・公衆衛生学講座らの研究グループです。加えて、「緑内障をはじめとした視野障害がある患者では交通事故のリスクが高くなることが先行研究より報告されており、交通事故の予防においても緑内障の早期発見は重要ある」とも述べています。そこで、本研究グループは、「タクシードライバーを対象に、視野チェックシート『クロックチャート』と『ビックリ箱現象』(運転中にしばしば経験するヒヤリハット経験の有無調査)に関する問診を用い、視野異常と交通事故経験との関連を明らかにし、緑内障の早期発見における『クロックチャート』の有用性を検証したといいます。このクロックチャートとは、直径40㎝の円形の紙に相物や昆虫などが描かれており、被検者は約35㎝の距離から眺めてチャートが一周する間に生き物のイラストが見えなくなる場所があれば視野異常の可能性が疑われるというものだそうです。本研究では、このチャートを使い、首都圏に勤務する1,227名のタクシードライバーを対象に「クロックチャート」を用いて視野異常を評価するとともに、問診により「ビックリ箱現象」の有無を評価し、過去5年間の交通事故との関連を検討したといいます。そして、その結果、対象者の約15%が「クロックチャート」による視野異常の所見を有し、約40%が「ビックリ箱現象」を有しており、さらに、約60%が交通事故を経験していたといいます。本研究グループは、「『クロックチャート』による視野異常の所見や『ビックリ箱現象』がある人は、交通事故経験を高めることを明らかにし、また、『クロックチャート』の活用が緑内障の早期発見にもつながる可能性が示された」と述べ、「こうしたチャートなどを活用することにより、視野障害に起因する交通事故の予防や安全運転の促進に寄与することが期待される」と結んでいます。

視野障害の早期発見による交通事故対策|ニュース&イベント|順天堂大学

 画像はプレスリリースから引用させていただきました。

 SM

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