2025.09.17
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胃カメラで膵がん検査
膵がんは難治性がんとして知られ、5年生存率:約13%といわれている膵がん。患者数は増加傾向にあるようです。難治性の理由としては、第一に早期発見が難しいためです。そして、見つかった時にはすでに他の臓器やリンパ節に転移があり、手術が難しいというのです。とは言え、膵がんを早期に発見し、手術を行い、手術後に抗がん剤治療を行った患者さんの5年生存率は約53%だとか。「膵がんにおいて、早期発見・早期治療(手術)が最も有効な治療法です」と述べるのは、大阪大学大学院医学系研究科(がんゲノム情報学)らの研究グループです。本研究グループは、「全国の10施設と協力して、健康者(75人)と初診時手術適応膵がん患者さん(89人)を対象に、通常の胃カメラ検査の際に合成ヒトセクレチンを静脈投与し、十二指腸乳頭部を専用のカテーテルで洗浄し、それを回収した」といいます。そして、「回収液からDNAを抽出し、PCR法でKRAS遺伝子の変異量を測定した」そうです。これは、このKRAS遺伝子が手術適応膵がん患者に非常に多いことが分かっているためです。つまり、膵がん細胞由来の遺伝子変異をとらえる「直接的なバイオマーカー」と言えます。本研究グループは、「日本においては2年に1回の胃がん検診、特に胃カメラが推奨されています。その際に『膵がんハイリスク者』を対象に、スクリーニング検査として本検査を追加することで、膵がんの早期発見・早期治療が期待されます。本検査は膵がん克服に向けた大きな一歩といえます」と結んでいます。
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM