港区立高輪いきいきプラザ

2025.09.17

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メタボと「胃噴門部腺がん」

すでに広く普及した「メタボ(メタボリックシンドローム)」という言葉ですが、これは「内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態(厚労省のHPより引用)」とのことです。ただ、単に腹囲が大きいだけでは、メタボリックシンドロームにはあてはまらないとか。因みにメタボの腹囲は「男性85cm以上、女性90cm以上」です。厳密にはメタボは病気ではありませんが、心筋梗塞などの原因となる動脈硬化のリスクを高めることが分かっています。さて、本題ですが、近年増加している食道と胃の接合部分にできる腺がん「胃噴門部腺がん」とメタボをつなぐ機序(筋道)として、腸内環境異常とそれにともなう「大腸菌成分リポ多糖刺激」(脂質や多糖から構成される糖脂質)が重要な役割を果たすことが、マウスを用いた研究で判明した、と発表したのは東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野らの研究グループです。実はよく知られているように、「胃がん予防としてピロリ菌除菌療法」が普及していますが、上述の「胃噴門部腺がん」は食生活の欧米化にともない増加し、ピロリ菌以外の細菌感染が関与する可能性があるとのことです。これまでメタボと胃噴門部腺がんとの関連性は指摘されていましたが、詳細は明らかではなかったそうです。本研究では、メタボにともなう腸内環境から漏れた異常な腸内細菌叢・代謝産物や大腸菌成分リポ多糖が、胃噴門部の腫瘍細胞に到達し、酸化ストレス応答を担うタンパク質NRF2活性化などによりがん化をきたすことを発見した、と述べています。そして、本研究の成果によって「生活習慣病予防や腸内環境改善により胃噴門部腺がん進展を抑制する効果が期待できるだろう」と結んでいます。

メタボリック症候群が胃噴門部腺癌を進展させる機序を... | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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