港区立高輪いきいきプラザ

2025.09.17

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安価なエタノールでトマトの耐熱性と糖度が向上

今年も猛暑日が続き、記録的な暑さを記録しました。実は、日本に限らず、地球温暖化に伴う気候変動の影響により、世界各地で猛暑や異常な温が頻発しているのです。野菜や果物などの作物はこうした温ストレスの影響を直接に受けて、育や収量に深刻なダメージを与えています。特にトマトは温に弱く、夏季の栽培では受粉不良や果実品質の劣化が問題となっているそうです。そこで、筑波学及び理化学研究所の研究グループは、「トマトの栽培時にエタノールを噴霧すると、高温ストレス耐性が付与されることを見いだした」と発表しました。さらに、「果実の糖度やビタミンC含量なども向上した」とも述べています。その理由ですが、「分子レベルの解析を行ったところ、エタノールの噴霧により、熱ショックタンパク質をコードする遺伝子や抗酸化酵素遺伝子の発現が高められることが分かった」といいます。加えて、生育の促進向上や果実の糖度およびビタミンC含量の上昇が見られ、高温ストレス耐性だけでなく、果実の品質が改善されることが明らかになったとか。本研究グループは、「今回の研究成果は、気候変動下でも利用可能かつシンプルで環境に優しい栽培手法によって、トマトをはじめとする農作物の高温ストレス耐性を高められる可能性を示唆しており、持続的な食糧生産に大きく貢献することが期待されます」と結んでいます。

エタノール噴霧によりトマトの耐暑性と糖度が向上する | 生物・環境 - TSUKUBA JOURNAL

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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