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2025.09.12

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アルデヒドストームって何?

お酒好きの人にとって気になる「アセドアルデヒド」。ご存じのように、アルコールの代謝によって生成される有害物質ですが、発がん性があり、二日酔いの原因にもなります。実は、通常はこの有害なアセトアルデヒドはアルデヒド脱水素酵素2ALDH2)によって解毒されますが、日本人の約4割がALDH2の機能が低下する遺伝子変異をもっているそうです。従って、少量の飲酒でも顔が赤くなる人は、アセトアルデヒドを解毒する機能が正常に働かず、お酒を飲みすぎるとがんの発症リスクが高くなることが知られています。さて、前置きはこれくらいにして、大阪公立大学大学院獣医学研究科の研究グループは、「ヒトのALDH2を再現したマウスの体内にアリルアルコールを投与するとアルデヒドの一種のアクロレイン(アリルアルコールが体内で代謝されて生じる、反応性の強いアルデヒドの一種)だけでなく、複数種類のアルデヒドが血液中で急速に増加することを発見し、この現象を『アルデヒドストーム』と名付けた」と発表しました。さらに、アルデヒドストームで生じたアルデヒドが肝臓に蓄積して重度の肝障害を起こすことを見出した、と述べています。加えて、「肝臓において、抗酸化作用や解毒作用をもつグルタチオンが枯渇することによりアルデヒドストームが発生し、肝臓の酸化ストレスが促進されてフェロトーシス(細胞内に過酸化脂質や鉄イオンが蓄積することで発生)という細胞死を引き起こすことも明らかにしました。アクロレインは電子タバコの煙や抗がん剤の代謝産物にも含まれているため、日常的なアルデヒド曝露に対してもALDH2をもつ人は健康リスクが高い可能性が示唆されたといいます。本研究グループは、「今後は、ALDH2 をもつ人におけるアルデヒドの慢性的な曝露による健康影響、特に発がんへの関与について明らかにしていきたい」と結んでいます。

肝障害を引き起こすアルデヒドが次々と生じる現象のメカニズムを解明|大阪公立大学

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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