2025.09.12
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胃がんの新たな容疑者とは?
「ピロリ菌の持つ特別な制限酵素(DNAを特定の配列を認識して切断する、ハサミのような役割を持つ酵素)が、ヒトのゲノムに働いて変異と切断を起こし、がんをつくり出すメカニズムを明らかにした」と発表したのは、千葉大学大学院医学研究院らの研究グループ。胃がんの主な原因はピロリ菌ですが、それがどのようにしてヒトのゲノムに異常をもたらしがんを引き起こすかは不明だったそうです。そこで、本研究では、ピロリ菌の持つ特別な制限酵素が、ヒトのゲノムに働いて変異と切断を起こし、がんを創り出す証拠を得たと述べています。実は、胃がんは、毎年世界で約100万人が発症し、70万人が命を落とす重大な疾患です。その最大の危険因子はピロリ菌感染。これまで 「cagA 遺伝子」など発がんの原因となる因子が報告されてきましたが、同じ遺伝子型のcagAを持っていても、地域によって発がん率に大きな差があり、従来の説明だけでは不十分だったそうです。そこで注目したのが、ピロリ菌が持つ制限酵素であったという訳です。本研究グループは、「これまで知られていなかった新しい発がんメカニズムの提唱であり、今後の胃がんに関する医療の発展が期待されます」と結んでいます。
胃がんの"犯人"に新たな容疑者? ピロリ菌が持つ「DNAを傷つける酵素」ががん発症に関与の可能性 | 国立大学法人 千葉大学|Chiba University
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM