2025.09.10
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敗血症と敗血症性ショック
細菌やウイルスなどの感染に対する体の反応が過剰となった結果、心臓・肺・腎臓などの自らの組織や臓器に障害をもたらし、生命を脅かす敗血症。そして、敗血症に加えて重度 の循環不全を伴い、血圧が著しく低下し、昇圧薬の投与が必要となる最重症の段階となる「敗血症性ショック」。特に後者は、集中治療室(ICU)での高度な管理が求められることが多く、非常に高い死亡リスクを伴う病態です。 そこで、千葉大学大学院医学研究院らの研究グループは2010年から2017年までの敗血症患者全体を対象とした全国調査参考情報をさらに発展させ、解析期間を2020年まで延長し、対象年齢も従来の20歳以上から18歳 以上へ拡大した上で、敗血症患者の中でもより重篤な「敗血症性ショック患者」に焦点を当てた日本初の全国規模解析を行いました。そして、日本における「敗血症性ショック」の患者数や死亡率の全国的な実態を初めて明らかにした、と発表しました。さらに、本研究により、「敗血症性ショックの院内死亡率は10年間で46.7%から33.2%へと改善傾向を示した一方で、依然として3人に1人以上が死亡する深刻な疾患であることが判明した」と述べています。加えて、高齢化の影響もあり、敗血症性ショックを含む敗血症の患者数や死亡者数は増加を続けており、今後も社会的・医療的負担が拡大することが予測されると警告しています。本研究グループは、「これらの結果は、敗血症の早期発見・治療だけでなく、高齢社会における感染症予防策の強化や集中治療資源の適切な配分が急務であることを示している」と結んでいます。
敗血症性ショック:全国ビッグデータ解析で判明~10年間で死亡率は改善も、依然3人に1人が死亡 | 国立大学法人 千葉大学|Chiba University
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM