2025.09.03
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慢性便秘薬が慢性腎臓病を改善
「慢性便秘治療薬ルビプロストン」が慢性腎臓病(CKD)患者の腎機能の悪化を抑制することを世界で初めて確認した、と発表したのは東北大学大学院医学系研究科および医工学研究科の研究グループです。この治療薬ルビプロストンは腸内細菌叢を変化させることで、ミトコンドリア機能を改善するスペルミジンの産生を促進し、腎臓のミトコンドリア機能を改善することが明らかになったと述べています。ご存じのようにミトコンドリアは、細胞内に存在する小器官で、酸素を使って生命活動に必要なエネルギーの大部分を作り出すため、細胞のエネルギー工場と呼ばれています。一方、スペルミジンは体内のほぼすべての細胞に存在するポリアミン(細胞分裂や増殖に関与)の一種だとか。細胞の成長や機能維持に必須で、近年、ミトコンドリア機能の改善や抗炎症作用、長寿への関与などが報告されているそうです。本研究グループは、本成果は、「腸内環境を変化させることによりミトコンドリア機能を改善し、腎機能低下を抑制できる新しい治療戦略の可能性を示しています。今後は慢性腎臓病のみならずミトコンドリア異常疾患の治療開発への応用が期待される」と結んでいます。
慢性便秘治療薬ルビプロストンの腎保護作用を世界で初... | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM