港区立高輪いきいきプラザ

2025.08.27

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敗血症性心筋症と新たな治療法

ご存じのように、敗血症は細菌やウイルスなどの病原体が体内に侵入し、感染症が重篤化する病気です。感染することで免疫反応が起こり、全身に炎症が広がり、臓器機能が低下、最終的には多臓器不全に至ることもあるそうです。この敗血症における多臓器不全ですが、「細胞障害性低酸素と呼ばれる概念的な現象で説明されてきましたが、その詳細な分子機序はこれまで明らかにされていなかった」そうです。そこで、九州大学病院別府病院内科らの研究グループは、「多臓器不全の一つである敗血症性心筋症では、菌体成分に応答して増加する低酸素応答因子が心筋細胞の酸素利用障害を引き起こしており、さらに炎症応答に伴って生じるリン脂質代謝の活性化が低酸素応答因子を増加させることを突き止めた」と発表しました。因みに、重症感染症では、全身の臓器機能が障害される多臓器不全を伴い、敗血症と呼ばれる重篤な病態に至るそうです。敗血症の致死率は30%以上とされ、日本国内では年間約81,000人が亡くなっているとか。本研究グループは、「COVID-19パンデミックでも明らかとなったように、感染症は依然として人類にとっての深刻な脅威です。その致死性の根幹である敗血症、すなわち多臓器不全の克服は人類の健康・福祉にとっての最重要課題の一つです。本研究成果を基盤とした新たな治療法の開発により、敗血症の克服と重症感染症からの転帰の改善が期待される」と結んでいます。

敗血症性心筋症が生じる仕組みを解明・治療開発に向けた基盤を構築 | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY

 画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

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