港区立高輪いきいきプラザ

2025.08.20

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どこからが支援・介護なの?

「どのような状態が要介護、要支援にあてはまるのか」。判断に迷う方は少なからず多いはずです。表現上は、「介護を要するのが要介護、要介護にならないよう支援を要するのが要支援」ですが、どこから支援、介護が必要か、個人では判断しにくい面があります。そこで国立長寿医療研究センターのHPでは次のように説明しています。手続き上は、「認定の手順として、調査員による認定調査が行われ、主治医意見書を合わせ、それらの本人に関する情報から一次判定が行われ、続いて市区町村の認定審査委員会にて二次判定がなさることによって、確定される」というプロセスです。因みに、「81歳男性で、変形性膝関節症、腰痛、三叉神経痛(顔の痛み)があり、伝い歩きでゆっくり移動し、トイレや着替えは自立、何をするか忘れることがあるものの、ひどいもの忘れはないという状態なら、要支援1」というように。注意したいのは、日常的に普通に生活していても、一度転倒など生じると途端に要介護になってしまいます。当HPでは、別の事例も紹介しています。「82歳女性、高血圧の他は大きな病気なく、毎日一人で散歩するが、認知機能が低下していて、同じものを何度も買ってくる、脈絡なく怒鳴るなど感情不安定があるという状態であれば、要介護1」だとか。要は、自分にはあてはまらないと判断していても、要支援や要介護に該当するケースがよく見かけられるとのことです。たとえ本人はまだ結構元気な状態であっても予防が大事な状態にあるとすれば、認定申請をして、サービスを利用し、悪化を予防するという考え方もあります。ところで、WHO(世界保健機関)が作成したICOPE(高齢者のための統合ケア)では、視力、聴力、認知機能、心理機能、移動能力、活力を主な6つの領域において、それらが低下している場合の対策をそれぞれ解説しています。すなわち、それぞれの能力には、「内在的能力と生活環境」が関係しています。つまり、「100m歩くのが不安定になったという内在的能力は同じでも、杖を使えば歩行は安定し、シルバーカーを使えばより遠くに移動できますし、誰かが車で連れて行ってくれる」という考え方です。「買物に行ける」という能力は、歩行能力だけでなく、杖やシルバーカー、周囲の人といった生活環境と掛け合わせて決まるという訳です。要は、内在的能力に保健サービス(予防や医療)、長期的ケア(介護)、環境が掛け合わさって、機能的能力として実際の行動につながるという観点から、改めて支援・介護サービスを見直してみてはいかがでしょうか。

要支援・要介護認定を考える時 国立長寿医療研究センター

画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

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