港区立高輪いきいきプラザ

2025.08.20

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息切れと心不全

高齢者の中には、「息切れ」を訴える人が少なからずいるはずです。ただ、「息切れ」には程度を表すグレードがあることをご存じですか。例えば、ゼロであれば問題なし。1の場合は、激しく動くことで起こる息切れ。2は、平地を急ぎ足で、または緩やかな坂を上る場合。3は、平地を歩きながら息継ぎのため休む。4は、100メートル歩行のあと、数分間息継ぎのため休む。5は、衣類の着替えの時でさえ、息切れする。というように、1〜5までのグレードに分かれています。さて、本題です。心不全の主な症状は、動悸、息切れ、呼吸困難、むくみなどがありますが、坂道や階段を上るときに息切れがある場合は要注意だそうです。とはいっても、「心不全」という言葉を聞いたことがあっても、よく理解されていないと指摘するのは、国立長寿医療研究センターです。医学的には、心不全は「心臓内に血液を取り込み、吐き出すという心臓の機能になんらかの障害が生じること」です。要は、全身の臓器へ必要な血液を送り出せない状態のこと。因みに、心不全は病名ではなく、心臓の病気(心筋梗塞、弁膜症、心筋症など)や高血圧により負担がかかった状態だとか。そこで、病気のサインであるかもしれない息切れなどの症状が気になる方は、早めに医療機関で診てもらうことを勧めます。心不全の原因を突き止め、どのような疾患による心不全なのか見極めることが大切なのです。ところで、順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学らの研究グループは、高齢者心不全患者において、「心血管疾患」「慢性腎臓病」「糖尿病」といった疾患が複数オーバーラップして身体機能の低下や予後の悪化と深く関係していることを明らかにしています。つまり、こうしたオーバーラップの評価が高齢者心不全患者のリスク管理において重要な指標になるだろうということです。ともあれ、心不全とフレイルとの関係を多面的に考察する評価が求められているということでしょうか。

一般社団法人 日本心不全学会

画像はHPから引用させて頂きました。

SM

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