2025.08.13
- ニュース
エコノミー症候群と肺塞栓症
被災地で避難を余儀なくされている方、夏休みに海外旅行へ行かれる方など長時間の移動や座りっぱなしの状態が続くと起こりがちな「エコノミークラス症候群」ですが、時事メディカルにエコノミークラス症候群に関する記事が掲載されていて、見過ごされやすい肺塞栓症について言及していましたので、ご紹介します。まず、「エコノミークラス症候群」とは、肺塞栓症という病気の一種だそうです。「長時間同じ姿勢でいると、ふくらはぎの深部静脈に血栓ができ、それが肺へと流れて血管を詰まらせる」(同記事より引用)のだとか。怖いのは、「肺塞栓症は心電図に軽微な異常しか出ませんし、通常の血液検査でも見抜けない」と同記事で指摘するのは医学博士の桑原大志先生です。加えて、血栓が肺の血管をふさぎ、呼吸困難や突然死につながることもあるとか。そこで、肺塞栓症かどうか見極める手段として挙げているのが「Dダイマー検査」。同記事によると、「血液中の血栓の代謝産物を調べるもので、肺塞栓症の場合、確実に陽性になる」という事です。ともあれ、エコノミークラス症候群の典型的な初期症状としては、ふくらはぎの痛みや腫れなどです。赤くなり、片足だけパンパンに腫れるような場合には要注意。さて、予防法ですが、とにかく「体を動かすこと」。ただ、機内では、体を動かすと言っても制限がありますので、「2時間に1回は立ち上がり、ふくらはぎをマッサージして軽く動かすことや足首の曲げ伸ばしをすること」をアドバイスしています。加えて、適度に水分補給も。この病気、軽症のうちに気付けるかどうかが運命の分かれ道と言われていますので、そのことをくれぐれもお忘れなく。
エコノミークラス症候群のリスクと予防法~見逃されがちな若い女性の胸痛~|こちら診察室|時事メディカル|時事通信の医療ニュースサイト