港区立高輪いきいきプラザ

2025.08.06

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カテーテル手術を受ける高齢者特有の不安とは?

誰でも手術を受けることは肉体的にも精神的にも大きな負担があるはず。患者さんが抱える悩みや不安が年齢によって大きく異なることを客観的に明らかにしたのは、国立研究開発法人国立長寿医療研究センターの病院循環器内科部の研究チームで、「心房細動などの不整脈を治療する『カテーテルアブレーション』を受けた患者の看護記録についてのテキストマイニングによる分析結果」を公表しました。本研究チームは、「カテーテルアブレーションは、心房細動などの不整脈の治療に非常に効果的な方法ですが、多くの場合は初めて受ける治療であるため、患者は様々な不安や心配を抱えることがある」と述べ、一方、「これまでの研究では、患者の不安や悩みの表現について、客観的に分析されたことはほとんどなかった」ことも指摘しています。では、具体的に、どのような患者の声があったのでしょうか?当プレスリリースによると、「患者が看護師に話す内容は非常に多様であった」とか。例えば、各年齢層(70歳未満、7079歳、80歳以上)の傾向の違いに焦点を当てて検討したところ、「70歳未満の患者では、『動くのが制限されることなどへの気持ちの表現』や『治療に関しての言及』が多かったのですが、80歳以上の患者では『(入れ歯)や(トイレ)など、ケアに関連する言葉』が多く見られた」とのことです。加えて、寝ていれば「終わる」、「動く」とつらかったので「治療」することにした、「気持ち悪い」などの表現がみられ、さらに「まな板の上の鯉」という言葉も多く登場していたとか。また、高齢層では「治療前後を通じて腰痛などの元々抱えている体の問題や生活に関する不安が大きい傾向にあることが示された」と述べています。加えて、若年層ではほとんどが手術やそれに付随する事柄に対しての訴えだったのに対して、高齢者では手術に対しての不安の表れが違い、術後の訴えも含めて、慢性疾患や老年症候群に由来する訴えが顕著だったとも述べています。本研究チームは、「この研究成果を活かし、患者の声にさらに耳を傾け、一人ひとりが安心して治療を受けられるよう、一層の看護ケアの質の向上に努めるとともに、将来的には、さらに多くの患者のデータや、医師、医療技術者の記録などを分析することで、より多角的な視点から患者のニーズを把握し、最適な医療を提供するための研究を進めていきたい」と結んでいます。

カテーテル手術を受ける高齢者特有の不安内容が明らかに! 国立長寿医療研究センター

画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

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