港区立高輪いきいきプラザ

2025.07.30

  • ニュース

膵臓癌治療に遺伝子機能

早期発見が難しく、転移しやすい膵臓がん。その膵臓がんが悪性化する分子機構を解明した、と発表したのは京都大学医学研究科らの研究グループです。本研究グループによると、「膵癌は、病理的分化度が高く化学療法がまだ比較的効きやすいタイプと、分化度が低く化学療法が非常に効きにくい悪性度の高いタイプに大きく分けられますが、これまでその分子機序については十分に分かっていなかった」そうです。本研究では、遺伝子改変により膵臓がんのマウスでPBRM1(さまざまなたんぱく質の発現を制御する遺伝子)を機能させないようにすると、悪性率が上がって転移も増え、生存期間が短くなったそうです。そして、がん細胞内では転移を促すたんぱく質「ビメンチン」の量が増えており、この働きを抑える薬剤を投与すると、がんの悪性率が低下し、転移も減ったと述べています。すなわち、本研究によりPBRM1はビメンチン発現制御を介して 膵癌の病理学的分化度、転移能、化学療法感受性に重要な働きをしていることが明らかになったというわけです。本研究グループは、「今後、悪性度の⾼いヒト膵癌に対してビメンチン阻害剤が有効かどうか、より詳細な臨床研究を⾏っていく予定である」と結んでいます。

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-06-03

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

一覧へ戻る

カテゴリ
年月で絞り込む