2025.07.30
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乳がんの抗がん剤治療と副作用
乳がんの抗がん剤治療を受けている方に朗報です。「副作用が少なく、しっかり吐き気を抑えてくれる第4の制吐剤少量投与の有効性と安全性に関する研究結果」を発表したのは、順天堂大学大学院医学研究科乳腺腫瘍学らの研究グループです。「乳がんに対する高度に吐き気を誘発する抗癌剤治療において、3種類の制吐剤点滴に加えて、オランザピンという内服薬が、これまで推奨されてきた10mgの半量で、安全かつ顕著に吐き気や嘔吐を抑えるということを明らかにした」と述べています。今日まで嘔吐などを誘発する抗癌剤には3剤併用制吐療法が推奨されてきたそうですが、ふらつき等の副作用の問題があったとか。そこで、研究グループはおよそ500人の乳がん患者を対象に化学療法開始から120時間以内に「嘔吐なし、救済治療(吐き気止めの頓服)なし」を表す完全奏功(CR)を3剤併用にオランザピン5mgを加える群と、プラセボを加える群に無作為に分けて評価したところ、CR率(嘔吐なし、救済治療なし)は、オランザピン群(58·1%)で、プラセボ群(35·5%)に比して顕著に高く、安全性の高さも証明されたといいます。本研究グループは、「少量で有効かつ安全な治療は、患者の経済的負担軽減にもつながる」と結んでいます。
乳がんの抗がん剤治療に朗報!|ニュース&イベント|順天堂大学
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM