港区立高輪いきいきプラザ

2025.07.16

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糖尿病治療に役立つ新たな研究とは?

糖尿病の治療に役立つ可能性のある重要な「代謝産物(体内で物質が変化してできる成分)」を発見した、と発表したのは群馬大学生体調節研究所らの共同研究グループです。当プレスリリースによると、「この代謝産物は、インスリンをつくる膵臓の細胞『膵β(ベータ)細胞』の増殖を助け、細胞死(アポトーシス)を防ぐ働きがあることが明らかになった」そうです。逆に、膵β細胞の数が減少すると、インスリンが十分に分泌されなくなり、血糖値が高くなって糖尿病の発症につながるというわけです。加えて、「肥満などによってインスリンの効き目が弱くなる状態(インスリン抵抗性)では、体は膵β細胞を増やしてインスリンを補おうとしますが、糖尿病ではこの増殖がうまくいかず、逆に細胞が死んでしまうこと(アポトーシス)が発症や進行の原因となる」と述べています。この代謝産物ですが、本研究では、「アデニロコハク酸(S-AMP)」と特定したそうです。これは細胞の成長や再生に関与しているとか。本研究グループは、すでに糖尿病治療薬イメグリミンに膵β細胞の増殖促進と細胞死(アポトーシス)の抑制作用があることを明らかにしてきましたが、今回の研究では、体内でのさまざまな代謝産物を網羅的に解析し、糖尿病治療薬イメグリミンの作用によって変化する代謝物を詳しく調べた結果だということです。今後は、「アデニロコハク酸(S-AMP)」がどのように働くのかを詳しく調べることにより、インスリンをつくる膵β細胞を回復させる糖尿病治療へとつなげていきたいと結んでいます。

【プレスリリース】インスリンをつくる細胞を増やす重要な「代謝産物」を発見 ~膵β細胞を回復させる新たな糖尿病治療へ期待~ | 国立大学法人群馬大学

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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