2025.07.11
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腹鳴りホルモン、モチリンとは?
お腹がすいたときに、「グー」と鳴る経験をされた方は少なからずいらっしゃると思いますが、十二指腸や小腸から「モチリン」というペプチドホルモンが分泌されるからだそうです。胃が空っぽになるころから働き始めるとか。さて、この「腹鳴りホルモンであるモチリンが摂食を刺激することを明らかにした」と発表したのは、埼玉大学大学院理工学研究科の研究グループです。当プレスリリースによると、モチリンが実際に摂食行動の調節に関わっているのかどうかは、これまで明らかにされていなかったそうです。本研究では、ヒトと同様にモチリンが機能するジャコウネズミをモデル動物として用い、モチリンが胃の運動および摂食行動に及ぼす影響を詳細に解析したところ、「モチリンの血中濃度が上昇するタイミングで摂食量が増加すること、さらに外因性にモチリンを投与すると摂食が促進されることが明らかになった」そうです。従って、モチリンは単に胃運動を調節するホルモンであるだけでなく、「食べる」という行動そのものにも関与することが示されたと本研究グループは述べています。そして、「今後、摂食障害や食欲不振といった病態に対する新たな治療法の開発につながる可能性が期待される」と結んでいます。
腹鳴りホルモンであるモチリンは摂食を刺激する-スンクスを用いた胃運動と摂食行動の同時解析-(大学院理工学研究科 坂田一郎教授、金谷萌子助教、坂井貴文学長) | 埼玉大学
SM