2025.07.09
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糖尿病有無と熱中症リスク
全国256万人分の保険データベースを用い、糖尿病患者の熱中症リスクを大規模解析したのは、名古屋工業大学 電気・機械工学類らの研究グループです。本研究では、2016年から2022年までの約256万人分の保険請求情報(レセプト)を用いて、糖尿病患者約18.8万人と、性別や年齢、地域などを揃えた非糖尿病者の対照群約75万人を比較することで、糖尿病と熱中症リスクの関係を解析したそうです。その結果、「糖尿病患者は、非糖尿病者よりも熱中症リスクが1.4倍高くなることが明らかになった」と述べています。興味深いのは、東京、大阪などの大都市を対象とした分析では、最高気温が30℃以下と、比較的熱中症リスクの低い日でも、糖尿病群では熱中症リスクが高くなる傾向が示されたそうです。一方、北海道などの寒冷地域でも、糖尿病群においてリスク上昇が認められたそうで、冷暖房環境の地域差が影響しているだろうとの認識を示されていました。本研究グループは、「気候変動の進行に伴う熱中症予防政策の立案や、糖尿病患者に対する個別の対策の推進に役立つと期待される」と結んでいます。
糖尿病患者は熱中症リスクが1.4倍 ~全国規模の保険者データベースを用いた大規模調査を実施~|国立大学法人名古屋工業大学
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM