2025.07.02
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銀河のふしぎ
私たちの地球は太陽系にあり、その太陽系は天の川銀河の中にありますが、天の川銀河はもし外部からのガスの供給が無ければ星形成は止まってしまうのだそうです。しかし、実際は天の川では100億年以上にわたって星がつくられており、それゆえこのことは銀河の外部からガスが流れている可能性が高いと話すのは、東京大学大学院理学系研究科天文学専攻らの研究グループです。本研究では、「天の川銀河と構造および星形成活動性が似ている近傍の棒渦巻銀河M83を対象とし、M83は外部から全体像を観測できるためアルマ電波望遠鏡で得た高感度な分子ガス(一酸化炭素)輝線データの詳細な解析を行なったそうです。その結果、分子ガス成分としては珍しい高速度雲を合計10個発見したと述べています。そして、観測された高速度雲の多くは、銀河の外部から流れ込んできた分子ガスである可能性が高いそうです。当プレスリリースによると、「こうしたガスの流入は、銀河の進化を支える重要なしくみのひとつ」なのだとか。つまり、外部起源のガスが広がった水素原子ガスではなく、高密度な分子ガスとしてとらえた点で、本研究は先駆的であり、その実態解明に向けた重要な手がかりを提供できるとも述べています。今後は、高密度な分子ガスがどのように形成されたのか、中性水素原子ガスとの関係や、降着している分子ガスが円盤のガスと衝突することで星形成を引き起こすかどうか、といった点についても解明を進めていく予定であると結んでいます。
Press Releases - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM