2025.07.02
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熱中症の重症化にご注意を!
「熱中症は重症化すると中枢神経障害を起こす」と言われています。そして、記憶力低下や集中力低下、睡眠障害などが残ると語るのは、谷口英喜医師。時事メディカルに「後遺症を残さない熱中症の応急処置と治療」と題する記事を掲載しています。先生は、熱中症になると、「脳血流が不足して、酸素や栄養素が届かなくなった状態に高体温が加わり、中枢神経障害が起こる」と警鐘を鳴らします。興味深いのは、私たちがよく口にする塩飴。それは塩分を取るためには必要ではありますが、即効性はないそうです。「塩のタブレットは、吸収されて全身に行き渡るまでに時間がかかる」と述べています。その理由は、谷口先生曰く「塩分が吸収される場所が小腸であるためです。口腔内でなめていても、飲み込んで胃まで入っても、そこから先に進まないと効果が出ないのです。効果を出すには、一緒に大量の水を摂取することです。塩を取らせただけでは、熱中症は改善しませんのでご注意願います」(同記事より引用)とのこと。この他にも誤った熱中症対策について指摘しています。例えば、「熱中症の人に頭から水を掛ける」、なぜこの行為がいけないかというと、「頭に掛けた水が誤って口腔内に入ったら、それが肺に入り誤嚥性肺炎や窒息を起こす危険性がある」とのことです。実は、「頭から水を掛けるよりも、首や脇の下にある太い血管を冷やすほうが、冷却効果が高く安全」なのだとか。もう一つ、熱中症になったら飲んではいけない飲料としてアルコールの他に、牛乳を挙げています。なぜなら、「風呂上がりに冷たい牛乳を飲む理由は、湯冷まし効果ではなくて、湯冷めしないようにアミノ酸を取って体温を維持することにある」と述べています。ともあれ、熱中症の人を見つけたら、下記の応急処置を覚えていてください。まずは、「傷病者を暑熱環境から涼しい場所に移動させ、着衣を緩めて休ませる」。次に、「飲水が可能であれば、第一選択飲料は経口補水液。手元に無ければスポーツドリンクのような塩分入りの飲料を摂取させる」。そして、身体の冷却。「体温を下げるには、太い血管を外から冷やすことが効果的」と述べています。ともあれ、意識がもうろうとして、水を飲むのも困難な場合は、直ぐに119番へ連絡しましょう!
SM
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