2025.06.30
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健康的な生活習慣と糖尿病リスクの低減
「血糖値が正常である労働者約1万人を最大8年間追跡し、生活習慣全体(喫煙・飲酒・運動・睡眠・肥満の5つで評価)が継続的に健康的であるほど前糖尿病の発症リスクが低減することを明らかにした」と発表したのは、横浜市立大学医学部公衆衛生学・大学院データサイエンス研究科の研究グループです。具体的には、主に二つのことが明示されたとのことです。一つは、「とても健康的な生活習慣を続けた群では、とても不健康な生活習慣を続けた群に比べ、前糖尿病の発症リスクが約26%低かった」ということ。もう一つは、「元々不健康な生活習慣だった人が途中で生活習慣を改善した場合にも、前糖尿病リスクが約18%低下することが確認された」ということです。糖尿病予備群は、高血糖ではあるものの糖尿病と診断されるほどではない状態を指し、毎年約10人に1人の割合で糖尿病に進行すると言われています。今までは単一の生活習慣要因に注目したものが中心であったのに対し、今回の調査研究では、大規模コホート研究のデータを用い、複数の生活習慣を組み合わせた総合的な健康生活習慣スコアの推移パターンを明らかにするとともに、そのパターンごとの前糖尿病発症リスクを検証した点です。本研究グループは、今回の研究結果から「たとえ健康診断の血糖が正常値であっても、将来の前糖尿病の発症を防ぐために日頃から健康的な生活習慣を心がけることの重要性が示された」と述べています。そして、たとえ前糖尿病になったとしても、健康的な生活習慣の維持・改善で糖尿病になりにくいことがわかっており、それが将来的な糖尿病のリスクを下げる有効な手段にもなることが示唆されていると結んでいます。健康な人では軽視されがちな「未病の段階からの生活習慣管理」の大切さを忘れないように心掛けたいですね。
健康的な生活習慣の維持・改善で前糖尿病リスクは2割減 —8年間にわたる就労世代1万人の追跡調査で確認— | YCU Research Portal
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM