港区立高輪いきいきプラザ

2025.06.30

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宇宙とアルツハイマー病

宇宙とアルツハイマー病。直ぐには結びつきにくい二つの世界ですが、実は、そこに大きな意義があることが判明しました。「アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβの家族性変異についての、国際宇宙ステーションの微小重力環境を活用した実験により、世界で初めてその繊維構造の解明に成功した」と発表したのは、自然科学研究機構・生命創成探求センターや名古屋大学大学院理学研究科らの研究グループです。さて、上述の「家族性変異」ですが、アミロイドβの7番目のアスパラギン酸がアスパラギンに変異した家族性アルツハイマー病の一型だとか。では、なぜ宇宙空間でこのような研究が行われたのでしょうか?当プレスリリースによると、宇宙空間では重力による対流や沈降が抑制されるため、こうした地球の重力をほとんど感じない環境の中でアミロイドβが効率的に繊維化することで、高精度な構造解析が可能になると説明されています。本研究グループは、微小重力環境がタンパク質凝縮過程に与える影響を構造レベルで実証した初めての成果であると述べています。そして、本研究の成果は今後、家族性アルツハイマー病の病態解明や創薬の開発に貢献しうるだろうと期待を寄せています。

 宇宙実験が拓くアルツハイマー病研究の新展開 〜Tottori型Aβの線維構造を宇宙で初解明〜 - 名古屋大学研究成果情報

SM

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