港区立高輪いきいきプラザ

2025.06.25

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一対の腎臓と機能バランス

「左右の腎臓のうち片側だけに障害を誘導することのできる独自のマウスモデルを開発し、これを用いて左右の腎臓が機能的・構造的なバランスを保とうとする現象(腎カウンターバランス)の分子メカニズムを初めて明らかにした」と発表したのは、昭和医科大学の医学部解剖学講座 顕微解剖学部門、神戸大学医学部附属病院 腎・血液浄化センター、筑波大学医学医療系人間総合科学研究科生命システム医学専攻らの共同研究グループです。本研究グループによると、「腎臓は左右一対の臓器であり、一方の腎機能が低下すると、他方が代償的に働きを高めることが知られており、このような左右間の動的なバランス調節は、『腎カウンターバランス』と呼ばれている」そうです。しかしながら、そのメカニズムは長年不明であったとか。本研究では、片側の腎臓に障害があればもう一方の健常な腎臓が代償的に機能を担い、全身の水バランスや血圧が維持されていたそうです。一方、両方の腎臓に同等の障害を負わせたモデルでは、血流の不均衡が認められず、全身性の浮腫や蛋白尿が悪化したとのこと。これらの結果から、左右の腎臓が互いに影響を及ぼし合いながらバランスを取ろうとする中で、そのバランスが崩れることが、腎疾患の進行に深く関与していることが示唆されたということです。本研究の結果によって、腎移植患者において、もともとの病気の腎臓と新たに移植された健康な腎臓との間に生じるカウンターバランス関係を分子レベルで明らかにすることが可能となると述べています。そして、臨床応用への橋渡しとしてさらなる研究を進めたいと結んでいます。

左右の腎臓が互いに機能のバランスを調節するメカニズムを解明 - 大学プレスセンター

 画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

 

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