2025.06.25
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コーヒーと血清アディポネクチン
「脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンは、インスリンの働きを助け、血糖値を下げる、動脈硬化を予防するなどの働きがある」と言われていますが、今までコーヒー摂取で血清アディポネクチンが増えるという報告はありましたが、肥満ありの人、なしの人に分けての解析はされてこなかったそうです。そこで、徳島大学大学院医歯薬学研究部メディカルAIデータサイエンス分野の研究グループは、肥満の有無で分けて検討した結果、「肥満がない人において有意な正の関連が見られた」と発表しました。本研究では日本多施設共同コーホート研究徳島地区調査に参加した606名の方を対象に、コーヒー摂取と血清アディポネクチンとの関係について肥満の有無によって分けた解析を行なったところ、正常体重の方においてはコーヒー摂取と血清アディポネクチンに有意な正の関連、つまりコーヒーをよく飲む人では血清アディポネクチンが高い結果が見られたそうです。ただ、肥満の方においては有意な関連は見られなかったとか。ご存知のように、循環器疾患のリスクを高める肥満、高血糖、脂質異常、高血圧はメタボリック症候群を形成しますが、疫学研究の結果からコーヒーの健康への効果が証明されたわけです。本研究グループは、「今後は、コーヒーを含めた食習慣、生活習慣と代謝異常との関係について、肥満の有無による違いに注目した解析を行うことで、個々人の体質にあった、健康に良い生活習慣を考える上で有用な情報を発信していきたい」と結んでいます。
【プレスリリース】肥満の無い人はコーヒー摂取で代謝を助けるホルモンアップ? - 国立大学法人 徳島大学