2025.06.18
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夏と降圧剤
6月17日付時事メディカルに掲載された「高血圧症、夏場の薬の効き過ぎに注意」と題する記事によると、夏場の降圧薬は降圧効果が増して、逆に低血圧を招くこともあるといいます。なぜなら、夏場に体内の水分量が減少すると、「レニン」というホルモンが活性化して働きが強くなるというのがその理由のようです。対策としては、「毎日血圧を測定して、その変化を把握すること」だとか。そう訴えるのは、東京慈恵会医科大学附属病院腎臓・高血圧内科の横尾隆主任教授です。記事の中で横尾先生は「対策としては夏の前後で血圧の変化に合わせた降圧剤の処方の見直し」が必要だと訴えます。ところで、降圧薬の種類ですが、大きく分類して「カルシウム拮抗薬(CCB)」、「アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)」、「アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)」などがあると知りました。最初に挙げたCCBが最も処方されている薬で、アムロジピンとニフェジピンCRが良く使われているとか。CCBは「カルシウムチャネルをブロックして血管の収縮を抑制し、血管を拡張させることで血圧を降下」させる薬。次によく処方される薬がARBです。このARBは、アンジオテンシンIIという血管を収縮させるホルモンが受容体に結合することを阻害するとか。第三に、ACEIは血圧を上げるホルモンであるアンジオテンシンⅡの産生を抑制する事で、血圧を下げる効果があるようです。他にも役割の違う薬が存在しますが、ここで分類したカテゴリーの中でも様々な薬があり、専門家でない限り、個々の薬の詳細な内容を理解するのは難しいはず。やはり薬を選ぶ場合あるいは変える際には、かかりつけ医とよく話し合って決めるのが賢明です。加えて、薬を中断する際も医師の指導なしで行うのは避けるべきでしょう。なぜなら、降圧剤を突然やめると、 血圧が急上昇する場合があり、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まるからです。さらに言えば、薬だけに頼らず薬と合わせて生活習慣を改善することも大切。薬の効果を引き出すためには、生活習慣を見直すことは必須です。例えば、減塩、適度の運動、規則正しい食生活、そして質の良い睡眠です。
高血圧症、夏場の薬の効き過ぎに注意~脳梗塞のリスクも~|医療ニュース トピックス|時事メディカル|時事通信の医療ニュースサイト
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