2025.06.16
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皮膚から探る高血圧の謎
特定の原因が明らかでない高血圧を「本態性高血圧」と呼ぶそうですが、実はこの高血圧、全体の90%を占めているとか。したがって、血圧コントロールが十分に達成されていない患者が多いのが現状だそうです。近年、「皮膚の微小環境の変化が血圧制御に関係している可能性が示唆されていますが、その具体的な分子メカニズムは不明」だということです。そこで、琉球大学大学院医学研究科の研究グループは、「皮膚におけるレニソーアンジオテンシン系(RAS)の活性化が血圧上昇に寄与していることを明らかにした」と発表しました。このRASとは、血圧や体液の恒常性を維持する重要なホルモンシステムのことです。実験では、皮膚のATRAP(血圧上昇などを抑制する役割の分子)を欠損させたマウスを使用。他の正常なマウスと比較すると、高血圧が増悪し、皮膚特異的にRASが活性化されていることが確認できたと言います。つまり、この皮膚RASの活性化が皮膚の微小血管の収縮を介して血圧上昇を引き起こし、高血圧という病気の発症に関わっていることが分かったと述べています。今後は、皮膚を用いた高血圧リスクの早期診断や新たな治療法の開発につながればと期待を寄せています。
高血圧の新たな発症メカニズムを解明 -皮膚の微小血管収縮と血圧上昇の関係を明らかに- | 琉球大学
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM

