2025.06.11
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自主的運動と強制的運動における脳活動の違い
熱中症のリスクが高まる気候になりました。特に高温環境下で運動する人は要注意です。そこで、暑熱環境下における運動指示による脳活動について研究を行ったのは、奈良女子大学研究院工学系人間情報分野生体医工学エリアの研究グループです。第一に、安全に身体活動を行うためには、目に見えない生理・心理的変化を理解することが重要であるとの観点から、本研究グループは持続的な運動の場合、判断力やペーシングといった認知機能、すなわち「脳内の見えないプロセス」もパフォーマンス発揮において重要であると述べています。「体温の過度な上昇は運動や労働のパフォーマンスを低下させることがありますが、身体能力的な低下の前に脳機能の低下が生じる」そうです。本研究では、どのような運動指示が高体温の影響を受けるのかを調査し、2種類の異なる運動(自発運動と命令運動)に注目。その結果、体温が1.5℃上昇しても、自発的に行う運動では脳活動への影響は見られなかったそうです。一方、外部からの合図で行う命令運動では、脳活動の低下が認められたとか。つまり、 高温環境で運動する際には、自主的な運動の方が望ましいと指摘。逆に、「受動的な運動状況では初動の判断力の低下に起因した脳活動の低下の影響がある」ため、 パフォーマンス評価を慎重に行う必要があるとも述べています。 本研究グループは、いわば強制的に行われる運動の場合、外からの指示に対する脳の反応低下が影響していることを運動指導及び管理する側は理解することが大切であると結んでいます。
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画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

