2025.06.11
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大腸がん患者の5割に腸内細菌による発がん要因発見
大腸がんの年間罹患者数は日本で14万人を超え、死亡数も年間53,000人以上です。大腸がんの発生には、生活習慣が深く関わっていると言われています。例えば、喫煙、飲酒、肥満、欧米型食生活などにより大腸がんが発生する危険性が高まるのは周知の事実です。さて、国立がん研究センターらの研究グループは、「日本を含む11か国の国際共同研究により981症例の大腸がんを対象とした全ゲノム解析」を行い、「日本人症例の5割に、一部の腸内細菌から分泌されるコリバクチン毒素による変異パターンが存在することが明らかになった」と発表しました。当プレスリリースによると、「このコリバクチン毒素による変異パターンは、高齢者症例(70歳以上)と比べて若年者症例(50歳未満、大腸がん全体の約10%を占める)に3倍多い傾向がみられ、日本をはじめ世界的に問題視されている若年者大腸がんの重要な発症要因である可能性が示唆された」とのことです。加えて、「大腸がんにおけるコリバクチン毒素による変異パターンは、その時に存在しているコリバクチン毒素産生菌の量とは関連しないことから、早期から持続的に暴露していることが大腸がん発症に寄与するのではないかと推定される」とも述べています。本研究グループは、「今後、日本人若年者大腸がん症例についてさらに研究を進め、コリバクチ大腸がんに対する新たな予防法や治療法の開発」につなげていきたいと結んでいます。
国際共同研究により大腸がんの全ゲノム解析を実施し日本人症例を解析 日本人大腸がん患者さんの5割に特徴的な腸内細菌による発がん要因を発見|国立がん研究センター
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM