港区立高輪いきいきプラザ

2025.06.05

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認知症リスクと聴力レベルの解明

「認知症のリスクとなり得る聴力レベルを解明する中で、どのくらいの聴力から認知症予防として補聴器を始めた方が良いか」と問うのは、慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室らの研究グループです。具体的には、「55歳以降の補聴器の装用経験がない難聴者のグループにおいて、聴力閾値と認知機能検査結果は負の相関関係を示し、4つの音の高さの聴力閾値の平均値が38.75 dB HLを超えた場合に、認知症のリスクになり得ることを発見した」と述べています。また同時に、「3年以上の長期に渡って補聴器を装用している難聴者のグループでは、聴力と認知機能検査における相関関係は消失しており、認知症のリスクになり得る聴力閾値も認めず、補聴器を使うことによって難聴という認知症のリスクが緩和されていることが示唆された」と結んでいます。ご存じのように、認知症は超高齢社会において、経済・社会的な大きな問題となっており、難聴が中年期における認知症の予防可能な最大のリスク因子であるとのこと。難聴の主な原因は加齢であるため、現状では補聴器が治療の中心ですが、どの程度の難聴になったら認知症予防として補聴器をすべきなのか、ということは今まで分かっていなかったそうです。本研究成果によって、「認知症のリスクとなり得る聴力が明らかになったことで、認知症予防に貢献できる新たな指標の一つになるだろう」ということです。

 認知症のリスクとなり得る聴力レベルを解明-どのくらいの聴力から認知症予防として補聴器を始めた方が良いか-:[慶應義塾]

 SM

 

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