2024.09.04
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人工血液の実用化に向けて
日本の献血-輸血システムの安全性は世界最高水準にあると言われています。その一方で、少子高齢化のため献血者数が減少し、今後血液が慢性的に不足するとも言われています。また、輸血製剤が供給困難となる状況として、へき地医療、プレホスピタル、夜間救急、緊急手術の現場等が想定されます。そうした背景から、奈良県立医科大学は、献血で集めた血液のうち、およそ1か月とされる有効期間が過ぎたものを再利用して人工的に赤血球を作製し、実際に人に投与して安全性や効果を確かめる臨床試験を、来年度から始めると発表しました。勿論、これは日本初の試みです。本研究グループは、「危機的出血(輸血が間に合わない状況)において、本製剤の投与により生命の危機を乗り切ることができれば、医療上の意義は極めて大きい」と述べています。そして、「人工赤血球製剤の実用化は、医療システム全体に大きな変革をもたらし、国民の健康福祉の増進に寄与することと考えられる」と結んでいます。
(プレスリリース)備蓄・緊急投与が可能な人工赤血球製剤の製造および、 第一相臨床試験を奈良県立医科大学附属病院で実施について (naramed-u.ac.jp)
SM