港区立高輪いきいきプラザ

2024.08.28

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悪性脳腫瘍の早期発見

悪性脳腫瘍のなかで最も多い膠芽腫。治療が難しく,2年生存率が 50%以下にとどまり,致死率はほぼ 100%だそうです。そうした中、金沢大学附属病院検査部、医薬保健研究域医学系・脳神 経外科学らの研究グループは、「尿中 D-アスパラギンの濃度が膠芽腫患者で有意に低下して いることを発見した」と発表しました。実は、「多くの患者は,神経症状が現れてから病院を受診し, CT MRI などの画像診断で発見されるため,診断が遅れることが最大の問題であった」と当研究グループは述べています。そのため、早期発見が治療成績の改善に重要であり、一般的に行われている血液や尿を用いた簡便な検査法の開発が求められていました。本研究グループは、癌が栄養素の一つとしてアミノ酸を利用することが分かってきたため、「このアミノ酸を光学異性体である D-型と L-型に分離するキラルアミノ酸解析を用いることで,膠芽腫が選択的に体内 D-アスパラギン濃度を変化させていることを見出した」そうです。つまり、「尿中D-アスパラギンが膠芽腫の早期診断および病勢評価における有用なバイオマーカーとなり得る」ということです。今後は,「複数の他施設とも連携し、より大規模な患者群を対象として検証し、尿中 D-アスパラギン濃度の測定が診断ツールとしての実用性を持つかどうかを確認したい」と結んでいます。

20240821.pdf (kanazawa-u.ac.jp)

 SM

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