2024.08.02
- ニュース
タウリン摂取と筋力アップ
国立長寿医療研究センター老化疫学研究部らの研究グループは、食事からのタウリン摂取量が多いと、8年後の脚の筋力(膝伸展筋力)が維持される傾向にあることを、医学・心理・運動・身体組成・栄養など多角的な観点から老化・老年病予防策を検討するコホート研究によって明らかにしました。魚介類、肉類、卵類等の食品から日常的に摂取されるタウリンは、ヒトの体重の約0.1%を占め、抗酸化など多様な機能を有しているそうです。加えて、マウスやサル等の哺乳類の研究では、タウリンの摂取が健康寿命を延長するといった報告もあるとか。しかし、「食事由来のタウリンと体力に関する報告はほとんどなく、タウリンが体力維持に関連するかは明らかではなかった」ということです。本研究では、40歳以上の男女1,454名を対象に、タウリン摂取量と体力指標(膝伸展筋力、長座位前屈、閉眼片足立ち、最大歩行速度)の8年間の変化量との関連を縦断的に解析したそうです。その結果、食事からのタウリン摂取量が多いほど膝伸展筋力が増加していることが分かったという事です。これらの結果より、タウリンの摂取は中高年者の膝伸展筋力、すなわち脚の筋力の維持につながる可能性が示唆されました。食事由来のタウリンの約80%は魚介類からの摂取でしたが、近年、我が国では魚介類摂取量が低下しており、タウリン摂取量も低下傾向にあるようです。本研究グループは、「魚介類の摂取等によりタウリンを摂取することが筋力維持に良い影響を与える可能性が示唆されたことから、魚介類を取り入れた栄養バランスの良い食生活を継続することが健康寿命の延伸に重要である」と結んでいます。因みに、タウリンを多く含む魚介類は、下記の通りです。カキ、ホタテ、カツオ、ぶり、マダイ、アサリ、イワシ、サバなどです。
中高年者の筋力維持にタウリンの摂取が関連することを初めて報告 | 国立長寿医療研究センター (ncgg.go.jp)