2024.07.27
- ニュース
リバウンド睡眠とは?
誰もが経験されている、徹夜明けの強い眠気とその後の長い睡眠ですが、これは「脳が覚醒していた履歴を記録し、その履歴に応じて必要な睡眠を補償する仕組み(睡眠恒常性)があることを示している」のですが、しかし、脳内でその睡眠恒常性がどのように実現されているのかはよく分かっていませんでした。そこで、JST 戦略的創造研究推進事業において、東京大学大学院医学系研究科 機能生物学専攻 システムズ薬理学分野らの研究グループは、「マウスを実験的に睡眠不足にすることで、眠気が高まると大脳皮質のPV発現神経が活性化され、リバウンド睡眠が起きることを明らかにした」と発表しました。加えて、たんぱく質リン酸化酵素であるCaMKⅡ(カルシウム/カルモジュリン依存性キナーゼⅡ)の活性化が、眠気に応じてPV発現神経を活性化させることでリバウンド睡眠を引き起こすことを解明した、との事です。本研究グループは、今後さらに研究を進め、睡眠という観点から心身共により健康な社会を達成する一助となればと述べています。
共同発表:徹夜後に長く深く眠る仕組みを解明~大脳皮質の抑制性神経が眠気の強弱に応じて睡眠を誘導する~ (jst.go.jp)