港区立高輪いきいきプラザ

2024.07.24

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歩きスマホと前抱えリュックのリスク

高齢者に限らず、「歩きスマホや前抱えリュックサック」は、歩行中の転倒リスクを増大させることが知られていますが、その理由はスマホ画面を注視しながら歩いたり、また前抱えのリュックの状態でいると、足元の視界が妨げられることによるのだそうです。大阪大学大学院基礎工学研究科、ノースカロライナ州立大学、および京都大学大学院情報学研究科らの共同研究グループは、「段差や障害物の無い整定地における直線的で一定速度の歩行であっても、歩きスマホに伴う内因性の要因が、歩行の安定性を低下させることを明らかにした」と発表しました。これは若年健常者を対象として行われた研究だそうです。実際、画面表示のないスマホを見つめながらの非認知課題歩行とスマホゲームをしながらの認知課題歩行(歩きスマ ホ)が、スマホを持たない通常歩行と比較されたとか。本研究では、「歩きスマホに伴う脳内情報処理が、内因性に歩行の安定性を低下させることを示唆している」と述べています。前抱えリュックサックに関しては、 「周辺視覚情報の欠損に加え、前方荷重そのものが歩行を力学的に不安定化させるとする報告もある」と指摘し、歩きスマホの場合、視界範囲の不安定さに加え、「スマホ操作やスマホ利用のために脳内の情報処理リソースが割かれてしまう点」にも言及しています。本研究の科学的成果は、「歩行周期の神経制御と歩行の安定性の関係を明らかにする脳科学研究に対する重要なエビデンスを提供できたことにある」と述べ、この成果はパーキンソン病の歩行障がいの原因究明の一助になる可能性があると結んでいます。

歩きスマホによる内因性転倒リスクの増大―見えていない段差等外因性要因だけじゃない― | 京都大学 (kyoto-u.ac.jp)

画像はプレスリリースから引用させていただきました。SM

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