2024.07.19
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腸内細菌叢と動脈硬化の不思議な関係
滋賀医科大学 NCD 疫学研究センターの研究チームは、「腸内細菌叢が冠動脈の動脈硬化進展度と関連することを明らかにした」と発表しました。滋賀県草津市に住む一般住民において「動脈硬化の進展度と腸内細菌叢との関連」を明らかにしたのは、日本で初めてだそうです。具体的には、「無作為抽出された 46-83 歳の男性 663 人を、心臓病(心筋梗塞や狭心 症)の既往ありとなしに分け、なしの人は心臓の動脈(冠動脈)の動脈硬化の進展度(冠動脈石灰化スコア)により 3 群(高度、中程度、なし)に分け、計 4 群間の腸内細菌叢を比較することで、動脈硬化の進展度と腸内細菌叢との関連を明らかにした」とのことです。本研究では、冠動脈疾患が顕わになる前段階から、動脈硬化の進展の予防戦略として、腸内細菌叢が一つのバイオマーカーとなり得る可能性が示されたということです。加えて、「現在は血液検査や尿検査等で疾患の危険因子を見出し服薬開始に至ることが多いが、糞便中にもより重要な疾患マーカーが隠れている可能性がある」と述べています。本研究グループは、「今後は、これらの腸内細菌と予後発症の縦断的検証や、動物実験による詳細な菌株特定などを経て、動脈硬化の予防方法がさらに明らかになっていくことが期待される」と結んでいます。
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM