港区立高輪いきいきプラザ

2024.06.24

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オリーブに含まれる希少成分「オレアセイン」とうつ病治療

「オリーブの希少成分オレアセインの抗うつ効果を発見」と発表したのは、筑波大学生命環境系および産総研・筑波大 食薬資源工学オープンイノベーションラボラトリの研究グループです。ご存じのように、「うつ病は世界中で多くの患者が存在し、現在も増え続けている精神疾患」です。重度のうつ病は自殺の主要な原因にもなっている深刻な問題。しかし、当プレスリリースによると、「うつ病の対症療法である抗うつ薬の主なものは、脳内における神経伝達物質(ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリン)の量を上昇させる機能を持ちますが、これによりうつ病が緩和する割合は半数程度で、効果が高いとは言えず、重篤な副作用を示すこともある」ようです。そこで、本研究では、オリーブ由来化合物であるオレオカンタール(OL)に着目。イブプロフェンと同様に強力な抗炎症作用を示すことから、OLと構造が似ているオレアセイン(OC)は抗炎症活性が期待されていましたが、オレアセインは希少であるため、その機能性に関する研究は遅れていたそうです。ところが、「近年、このオレアセインの希少成分を、「オリーブ葉に豊富に含まれているオレウロペイン(ポリフェノールの一種)から、固体触媒を用いて簡便に直接製造する技術の開発に成功した」ということです。本研究グループは、オリーブに含まれる希少成分「オレアセイン」に、神経炎症モデルマウスのうつ行動を抑制する効果があることを見いだしたのです。この効果は、脳内における神経栄養因子レベルの上昇および神経炎症の抑制によりもたらされることが示唆されたと述べています。そして、今後、「オレアセイン(OC)を活性成分とした食品素材の開発を視野に入れ、ヒト介入試験を行う予定である」と結んでいます。

産総研:オリーブの希少成分「オレアセイン」の抗うつ効果を発見 (aist.go.jp)

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