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2023/02/06 19:32:00

「食べる」ことの大切さ

「食べる」ということが、どれだけ大切なことなのかを感じたお話です。



Aさんは、自宅で転倒した際に肋骨を数本骨折。
更に、外傷性気胸で呼吸が困難となり、緊急入院となりました。

Aさんはこの入院で寝たきりとなり、看護師の声掛けなどにも反応がなかったため、ご家族の希望で胃瘻を造設することになりました。

1か月半入院し、退院。
退院後は、訪問診療の先生の指示の下、ゆっくりと嚥下リハビリを行っていましたが、3ヶ月が経過した頃発熱したため、一旦リハビリを中止。
その後、熱は下がったものの、しばらくの間リハビリの再開ができない状態が続きました。

退院後は大きな声で唄を歌っていたAさんですが、徐々に声を出すことがなくなり、表情もなく静かにベッドで寝ていることが多くなっていました。

何度か繰り返し主治医、ケアマネ、看護師、リハビリ職員で話し合いを重ねた結果、いざ!という時に対応できる様に、奥様に吸引を指導することになりました。
奥様は約1ヶ月の間一生懸命練習し、主治医から「合格」をもらいました。
食べられなくなって半年が経過した頃、やっと嚥下リハビリ再開の許可が主治医から出ました。

ふりだしに戻ってしまったため、氷からスタート。
徐々に重くしていき、羊羹が食べられるようになった時には、Aさんの表情が豊かになり、少しですが声も出るようになっていました

その後もむせこんだりすることなく、順調に口から食べているAさん。
その日の気分にもよりますが、看護師さんに話しかけたりするようになりました。


食べられないことが、これほどまでに様々な所に影響を与えているのだと、実感。
そして、食べること、食べられることが、これほどまでに人に対して良い影響を与えるとは!
人間にとって重要なことなのだと改めて感じました。