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2023/03/17 11:54:00
飲酒とびらん型胃がんの関係
「予後不良であるびまん型胃がんについてゲノム解析から飲酒との関連を初めて発見した」と発表したのは、国立がん研究センターがんゲノミクス研究分野の研究グループです。国際共同研究によって日本人胃がん症例697症例を含む総計1,457例の世界最大となる胃がんゲノム解析を行ったそうです。そこで、最大の75個の「ドライバー遺伝子」を発見したと伝えています。このドライバー遺伝子とは、「異常を起こすことによってがんの発生や進展に寄与する遺伝子の総称だそうです。また、これまで原因不明であったびまん型胃がんについて、飲酒に関連したゲノム異常がその発症に関連することを初めて明らかにしたとも伝えています。加えて、アルコールを分解しにくい体質の人は、飲酒によって変異が起きやすい可能性があるため要注意だとか。因みに、胃がんは病理組織学的には、腸型とびまん型に分類されるとのこと。胃がんの発生要因としては、ピロリ菌感染などが挙げられますが、スキルス胃がんに代表されるようなびまん型胃がんについては、未だに予後が不良で、有効な治療法が見つかっていないため、「びまん型胃がんを含め、日本人胃がんにおける治療標的となるドライバー遺伝子や免疫療法の予測因子となりうるゲノムバイオマーカーの全体像を解明し、これらのデータは、今後の胃がん治療法開発や予後改善に貢献することが期待される」と結んでいます。
プレスリリース
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0314_1/index.html

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