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2023/03/13 13:15:00
魚類も顔を見て自分や他者を判断

魚類が自分の写真を見て「これは自分だ」と認識できることを世界で初めて実証したのは、大阪公立大学大学院理学研究科幸田正典特任教授らの研究グループ。魚類も「顔」を見て自分や他者を判断できるというのですから驚きです。判断材料は、体ではなく、顔だそうです。ヒトは 自分の顔のイメージ(心象)を持っており、瞬時に見分けられるのですが、今回実験に使ったホンソメワケベラは、顔に個体ごとに異なった模様の変異があり、この模様をみて仲間の顔を区別していると言われていますが、ではどのように自己鏡像を自分だと認識するのでしょうか?さて、今回の実験では、鏡を見たことのない個体に自分の写真を提示したところ、写真に対して激しく攻撃したそうです。これは未知個体の写真を見たときと同じ反応ですので、自己写真を未知の他人だとみなしていると考えると述べています。そして次に、鏡像自己認知ができることを確認した個体に写真を提示しました。その結果、自分の写真には攻撃せず、未知個体の写真に対しては攻撃したというのです。ただ、ホンソメが自己写真を非常に親しい仲間とみなしていることによる可能性も否定できないため、そこで、自己写真を使った「写真マークテス ト」を行ったそうです。そして、もしその写真を見て喉を擦る行動をすれば、自己写真を自分だと確実に認識していることを示すとか。なぜなら、いくら親しくても他個体と認識していれば、自分の喉を擦ることはないそうです。これらの結果から、「ヒトと同様にホンソメは自分の顔のイメージをもっており、それと照らして鏡像自己認知や写真自己認知をしていることが、動物で初めて明らかになりました」と本プレスリリースは結んでいます。
大阪公立大学プレスリリース
press_230201_Kohda.pdf (omu.ac.jp)

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